エンジョイ勢でも勝ちたい!

競馬予想、競馬コラムなど

競馬データ分析【ディープインパクト産駒傾向】早枯れディープは真実か? 得意コースは?

ディープインパクト産駒傾向

f:id:smtaro310:20200218204435j:plain

 まずは、過去3年分のディープインパクト産駒全成績。他、各種条件別成績。

 

 まずもって明白なのが、完全に芝向きですね。圧倒的にハナからダートで使われる回数が少ないですが、それにしても勝率は倍の開きがあります。単回値もダートだとかなり悪く、基本的には芝で狙う種牡馬ということになりそうです。

 

早枯れディープの真相

 気になる年齢別成績。たびたび、早枯れディープだの、成長力がないだの言われますが、それは果たして真実なのか? それともアンチの戯言なのか?

f:id:smtaro310:20200218205552j:plain

 この表を見て、ほらやっぱり早枯れディープは事実だった!(ドヤァ)と思ったあなた!!

 後々、他の種牡馬のデータ分析もアップしていこうと思ってますが、たいていの種牡馬が似たような成績になるみたいです。若い時ほど、勝率、連対率、複勝率がいいのはほとんどの種牡馬で共通です。

 言ってしまえば、

「全種牡馬の産駒が早枯れ」

 です。全種牡馬の産駒って、つまり全競走馬ですね。

 

 とはいえ、ディープインパクト産駒の2歳成績はずば抜けています。プラスにはならないものの、2歳時の単回値も優秀ですね。3歳時もかなり優秀です。そのために、古馬になってから落差を感じて、早熟性を感じさせるんでしょうね。

 アンチの戯言はうんざりなんですが、強い2歳時からさらに成長して古馬になって完全無欠ってことはさすがになくて、その点では成長力がないというのは間違いではないかもしれません。2歳時点で完成されてしまってるといったほうがいいとは思いますが。

 

クラス別成績

f:id:smtaro310:20200218213912j:plain

 2歳時に強いんだから、新馬戦での強さはやはりずば抜けていますね。回収値もいいです。新馬戦での人気やオッズの低さに対してその回収値なのだから、いかに確率がいいかってことですね。

 

 そしてやはり驚異的なのは、わずか3年で重賞72勝。GⅠを実に16勝。これは当然、他種牡馬の追随を許さない圧倒的な勝利数です。

 GⅠで単勝ベタ買いで111%の回収値も驚異です。

 

 アンチはしきりに、ディープインパクト種牡馬失敗と騒ぎますが、日本競馬史の中でも屈指の成功種牡馬です。

 

場所別成績

f:id:smtaro310:20200218222636j:plain

 毒を吐いちまったところで、次は場所別成績です。

 どれも優秀です。函館と福島だけ、複勝率が3割に満たないとは言えますが、その2場は何故か出走頭数も少なく、ブレの範疇かどうかの判断がしづらいですね。

 勝率トップは札幌です。が、気になるのは京都ですね。複勝率が抜けて高い感じがします。

f:id:smtaro310:20200218223209j:plain

 試しに、芝オンリーで抽出してみました。

 ダートに引っ張られていたのがなくなって、全て確率がよくなるわけですが、全ての確率で京都がトップになり、複勝率は京都だけ4割超え。

 ディープインパクト産駒は京都が得意。と言ってもいいと思います。ただ、他がダメなわけでもないです。

 

距離別成績

f:id:smtaro310:20200218224855j:plain

 距離別で見ると、中長距離向きだという傾向が出ていますね。2100~2400という距離なら、単複ベタ買いでもプラスだったという記録になっています。

 1400~1600も悪くないように見えますが、1400はさほどよくなく、1600がいいです。下の、~1500mというのと1600m~というところを見ても、短すぎる距離は得意でないとわかります。

 

馬場状態別成績

f:id:smtaro310:20200219184508j:plain

 個人的に気になっていた、馬場状態別成績です。

 

 ディープインパクトの現役時のイメージとして、

「小さい体ながらストライドが大きくて綺麗なフォームで走る」

 というのがあって、だから、渋った馬場は苦手なんじゃないかなと思っていました。

 でも実際に、雨の日などにディープインパクト産駒を嫌ってみると、案外してやられることが多くて、全体的にはどうなんだろうと気になっていました。

 

 集計を見る限り、重馬場は良馬場と大差ないように見えます。しかし、稍重が少し悪いのはよくわからないですね。段階的に悪くなるか、逆によくなるんだったらわかりやすいんですが。

 重と不良はサンプル数が少なめなので、ブレもある気がします。とはいえ、

「積極的に狙うほど得意ではないが、積極的に消すほどでもない」

 とは言えそうです。

 

 ダートに関しては、馬場の悪化と成績の悪化が比例してますね。回収値ベースで見るとダートの稍重以下はけっこう悲惨です。芝が得意なだけに、水を含んで時計が出やすいダートのほうがいいんじゃないかと思っていたんですが、これは少し意外です。

 

 ここで障害についても触れますが、特段障害得意な馬をよく輩出するってわけではなさそうですね。

 

月別成績

f:id:smtaro310:20200219185814j:plain

 月別成績を見ると、1~6月と7~12月で分かれているという印象ですね。2歳戦が得意なことも関係していると思います。

 表は省いて文章にて説明しますが、特に勝率が高い7月8月10月11月の新馬戦成績を調べると、まさしく驚異的(驚異的って何度言うんだ)な成績を残しています。

 早く仕上がった馬が7、8月の北海道で新馬で勝ち、東京、京都がはじまる10月11月で第2陣が猛威を振るうといった感じです。

 

 本当に早くしあがるんだろうなあって気がします。1~6月が不得手なわけじゃなく、2歳戦が本当に強い。この表から、上半期時は狙いを落とすってことはしなくてもいいと思います。

 

競走番号別成績

f:id:smtaro310:20200219192138j:plain

 調べたところこれも特徴的だったので触れておきます。

 優れた勝ち上がり率が示す通り、未勝利戦が多く組まれる前半のレースの勝率が凄まじいです。4Rが少し下がるのは障害戦が行われるからだと思います。

 1~3Rの出走回数が少ないのはダート戦が多いからでしょう。

 ちなみに1Rだけを抽出したところ、1R目の芝レースにディープインパクト産駒がいたら、買え! と言いたくなるような好成績です。

 5Rの抜けた勝率は新馬戦によるものですね。

 

まとめ

  • 芝のマイル以上が得意。特に中長距離。
  • 仕上がりが早くて2歳戦は超優秀。勝ち上がり率も高く、未勝利戦もいい。
  • 早い内に走れるだけであって、古馬になって枯れるとかそういうことではない。(相対的に、衰えているかのような印象はもつかも)
  • 得意競馬場をあげるなら、京都。他でダメなわけではない。

 調べれば調べるほど、大種牡馬だなあと思えてきます。

 非常に残念なことに、昨年2019年の7月28日に亡くなっており、今年産まれる産駒がラストクロップとなります。それも、種付けシーズンから体を悪くしており、大事をとって種付けを中止していたため、20頭前後だけ誕生する見通しのようです。

 

 ディープインパクトの父サンデーサイレンスも、語るまでもない超大種牡馬でした。ディープインパクトは、サンデーサイレンスの晩年の傑作で、現役時にすでに父は亡くなっていました。

 ディープインパクトが輩出したGⅠ競走優勝馬は、枚挙に暇がないですが、ひとつだけ心残りがあるとすれば、自身並、あるいは自身を超えるほどの競走成績の馬はまだ出てきていないことです。(ジェンティルドンナはかなりのものですが、牝馬であるためサイアーライン上にはのらない……)

 現3歳はこれからクラシック戦線に出陣します。その中にはすでにGⅠ馬のコントレイルがいます。コントレイルは現時点でかなり評価の高い馬ですから、もしかしたら3冠馬になったり、GⅠを5勝も6勝も7勝も、そして8勝以上するような馬になるかもしれません。

 デビュー前の現2歳世代、現1歳世代、そしてこれから生まれてくるラストクロップ世代たちの活躍も注目いてきたいところです。