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競馬データ分析【人気別、オッズ別データ】 1番人気の勝率はどれくらい? 特定人気をベタ買いするとどうなるの?

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集計期間2017年年始~2019年年末

 上画像は、JRAの、2019年年末から3年遡っての全レース集計の、人気別成績です。過去3年にした理由は特にありません。それくらいでデータ量としては十分かなと思ったからです。

 

集計から言えることは

 見事なまでに、勝率、連対率、複勝率の全てが、人気順に従って、上位人気から下位人気まで、段階的に下がっていっています。2番人気より1番人気の勝率が高いのは調べるまでもなく感覚的にわかりますが、例えば9番人気より10番人気のほうが勝率がいいということもなく、綺麗に段階的です。

 唯一、17番人気の複勝率は16番人気を上回っていますが、そもそもフルゲート16頭の設定もよくあり、17頭目以降は極端にデータ数が減るので、ブレであると言えると思います。

 

つまり?

 競馬参加者、馬券購入者の、優れた予想力を示しているものを思われます。

 人気だから強いのではなく、強い馬が人気になっていることを示しています。それだけ、馬券購入者の、強い馬を見抜く能力が優れていると言うことでしょう。

 3年間の集計ですが、1年ごとの集計にしたとしても、どの年でも、必ずそういう風になります。たまに2番人気のほうが1番人気より勝率が高い年がある……なんてことはありません。

 

 これは何気に凄いことです。ほとんどの人が、その馬に普段触れているわけではないであろうにも関わらず、なんなら馬に触ったことも乗ったこともない人がほとんどであろうにも関わらず、競馬で1着になる確率が高い馬を見抜くことはできるんです。

 

回収率で見ると?

 多少のブレがあるようには見えますが、単勝回収率に関しては、7番人気くらいまでであれば、ベタ買いしてても大差ないようです。そして8~13番人気の間も、7番人気以上よりは劣りますが、差があまりないです。14番人気より下の人気は明確に回収率が下がっています。

 複勝回収率で見ると、よりブレが少なくなると見えます。そして、人気順に段々回収率が悪くなっていきます。

 

つまり?

 特定の人気をベタ買いしてても儲からないのは当たり前ですが、その中でも、人気薄というのは、配当が高くっても、勝率、複勝率的には、割に合わないということですね。

 意外なもので、1番人気の複勝オッズといえば1.1倍とか、ついても1.3倍くらいなものでしょうけど、ベタ買い時の回収値は一番高いです。

 複勝オッズには幅があります。例えば常に上限オッズで払い戻しされれば、人気薄の複勝ももっと割がよくなると思います。人気馬と一緒に入着すると、配当が安くなるのがネックですし、上位人気の複勝率ってのは高いわけですから、どうしても安くなる確率も高くなります。

 

 穴の複勝を狙う際には、どれくらい人気馬が入着しなさそうか、というのもポイントになりそうです。

 

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 今度は、オッズ別成績です。

オッズ別集計から言えることは

 オッズが安いほど、つまり支持を多く集めているほど勝率などが高いのは、人気別集計と同じです。

 しかし、単に人気別ではなく、オッズ別に見てみると、1倍台の単勝オッズの馬は、驚異的な勝率、連対率、複勝率を誇っていることがわかります。1倍台前半の馬などは、90%近い複勝内率になっています。

 

 単勝1倍台というのは、どの券種で買っても配当が安くなるので、できるだけ買いたくないと思うわけですが、1.4倍以下のオッズの馬は、9割近く3着内にきますから、そういう馬をはずして買うというのは、10%くらいの着外確率に賭けるということになるので、それに見合うかどうかという判断が必要になります。

 

 しかし逆の見方もあって、1.4倍以下の単勝オッズの馬でも、38%くらいは負けます。3回に1回以上は負けると考えると、オッズの安さの割に、全然信用できないという印象になりますね。

 1倍台であっても、1.5倍以上になると半分以上負けるというのもちょっと驚き。

 単勝1倍台の馬がいたら、脳死で切ってしまうというのは、ある程度は理にかなっている気はします。あるいは、どうしてもこの1倍台は切れないと思うなら、見するというのが正しいと思えます。

 

回収値で見ると?

 単勝100倍以上になるとさすがに入着率が少なさ過ぎて回収値があがってこないですが、それ以下であれば案外、上位との差は少ないですね。30倍以上のオッズだと、気持ち割が悪いかなというくらいです。

 意外なのは、単勝1.4倍以下の複勝の回収値が95と比較的高いことです。

 しかしこれ、考えてみると意外でもなんでもなくて、JRAプラス10の恩恵によるものでしょう。本来なら1.0倍の元返しになる馬でも、ある程度まではプラス10円上乗せしてくれているおかげで、回収値がよくなっているものと思われます。

 

 案外、プラス10対象となっている馬をさらに精査することで、ド本命の複勝で儲けを出すことも可能なのかもしれません。(もちろん甘くはないでしょうが)

 

まとめ

  • 人気馬ってのはやはり強い。強いから人気になっていることが多い。
  • 特に単勝1倍台の馬の複勝率は高い。(だから切るなら人気馬が入着してしまう確率を考えて、それでも切る根拠が必要と思われる)
  • ベタ買い時の回収値は人気が高いほうが少しいい。単勝100倍以上の馬は、勝率の低さを配当の高さで補いきれない。(30倍以上くらいからその傾向が出始めると思われる)
  • 端的に言うと、穴の複勝は効率が悪い。言い方を変えると、穴の複勝で利を得ようとするなら、より高い精度の予想が必要となる。
  • プラス10制度はなんだかんだ良心的。

 

 けっこう普段から意識するんですが、馬券で勝つには期待値を追うことが必要で、そのためには実力より評価されてないオッズが高い馬を狙うことがいいとは言われますが、それは同時に実力より評価されている危険な人気馬を見抜くことが必要です。

 されど、単純な統計では人気馬ってのはそれなりに走るわけで、いかなる根拠をもってして人気馬を嫌うのか、そこが重要になるかと思います。