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1月18日土曜日中山4R障害未勝利戦の事故について

 

  • シンボリブーケ号は,1周目3号障害〔いけ垣〕着地時に転倒したため競走中止。
  • マイネルバッカーノ号は,2周目3号障害〔いけ垣〕飛越後に,1周目3号障害〔いけ垣〕で転倒した「シンボリブーケ」号の影響で,騎手が落馬したため競走中止。

 ※JRA公式ページより

 

 JRA公式ページのレース映像から事故の様子も見られるので、気になる方はそちらからどうぞ。

 

 事故の経緯は、1週目の最初の障害で落馬転倒したシンボリブーケが、倒れたままコース上を動かなかったため(頸椎関節脱臼というのを起こしていた模様。残念ながら予後不良)、それの対応していた係員に、2週目に入った出走馬たちのうち、マイネルバッカーノが激突してしまい、騎手がバランスを崩して落馬した。というものです。

 

 コース上で馬が倒れてしまったので、係員はコーナーから障害にいたるまで、パイロン(コーン)を設置し、2周目の馬たちが外を走るよう誘導しました。その区間の内ラチの内側で、数名が手ぶりで外へ外へという合図も送っていました。

 パイロンと係員の合図によって、ほとんどの馬は誘導に従ってパイロンの外を走っていきました。しかし、マイネルバッカーノ山本康志騎手と、ゴルディアス植野貴也騎手は、馬の誘導間に合わなかったか、パイロンの内へ入ってしまい、ゴルディアスはギリギリぶつかりませんでしたが、マイネルバッカーノは落馬対応中の係員に接触してしまい、バランスを崩して山本騎手は落馬してしまいました。

 

 この件に関して、先に言っておきたいのは、自分としては、誰も批判するつもりはありません。(関係者については)

 

 某競馬サイトや、ネット掲示板では、JRAの対応をことさらに批判していますが……。馬に乗ったことも触ったこともない連中の雑言としか思えないです。

 レース確認すると、1周目の落馬から、2周目の落馬地点到達までわずか80秒程度しかないんですね。その時間でできる対応なんてごく限られます。

 落馬地点に後続が入らないように、もっとちゃんとした柵の設置なんて時間的に無理です。

 もっと大きなパイロン、もしくは矢印などでわかりやすく誘導すべきとの声もありますが、コース上に障害物を増やすんじゃねえ! それにぶつかって余計な事故が増える可能性は考えないんでしょうか。

 パイロンとパイロンの間に蛍光カラーテープを、なんてトンデモ意見もありました。障害の前にさらに障害を増やしてどうするんだと。そんな短い間隔で2度飛越させる気か。だいたいテープなんぞそのまま突っ切っていって、下手したら脚に絡んで転倒複雑骨折なんですが。それだって80秒で設置しきれるか微妙なところですしね。結局は設置途中の係員に接触の可能性だってあります。

 短い時間で設置できて、それ自体にぶつかっても蹴散らしていける(実際に後続馬の1頭がパイロンを蹴散らしながら競走を継続しています)程度のものにするしかないという面はあると思いますね。

 

 もちろん、対応は完璧だったと言うつもりもありません。改善点はあったと思います。コーナーの手前から、せめて手信号で外へ誘導するとか、コーナーを大きく回らせる工夫はできなかっただろうかとか、そういうことは思います。

 

 山本騎手にしても、馬を御しきれなかったという見方をするつもりはなくて(多分、馬がひとつめのパイロンを内に避ける動きをしている)、障害競走とはいえ、競走中でスピードに乗ってる馬を、わずかな距離で進路変更するのは難しいでしょう。(マイネルバッカーノの動き”だけ”を見れば、結果論、下手に誘導しなければ内ラチ沿いを進んでぶつかっていなかったと思われる)

 

 今回のことで、こういうことは”起こり得る”と知れたんですから、今後の事故防止のためにも対策を講じてほしいですね。

 

 

 そして、個人的に言っておきたいことがもう1点。

 競走不成立、返還がなかったことについて。

 

 当たり前です。

 

 本件は、目の前の落馬に後続が巻き込まれるケースと、本質的には同じです。そしてそういったケースでは当然返還はありません。馬券購入者は、落馬のリスクは常にあると知った上で、自己責任で購入するのが原則です。

 ぶつかったのがたまたま人間だったからでしょうか? やけに、返還しないのはおかしいだの、JRAは腐った組織だの、やかましい輩がいますね。

 JRAのミスで、いるはずのない人間や車がコース内にいたりしたなら、競走不成立も有り得るかと思いますが、今回は落馬の対応です。彼らがいなかったらむしろもっと大惨事になってた可能性だってあります。

 

 

 今回の件は、悪天候、落馬地点が障害の直後で後続からは陰になって見えなかった、などの不運が重なった事故であって、誰かが悪かったとかいうことではないと、私は思いますね。