今更シンゴジラを観た感想
映画シンゴジラを観た。2016年公開の映画のようなので、もう6年前くらいなのか。
率直に感想を述べると、とても良かった。ゴジラがめちゃくちゃかっこいい。
ゴジラシリーズ屈指の最強火力の放射火炎がめちゃくちゃすごい。
個人的には、ゴジラはヒーロー役ではなく悪役、恐怖の象徴であるべきと思っているので、それがいかんなく表現されていた、シンゴジラはとてもよかった。
後半のゴジラ凍結作戦は突っ込みどころ満載だと思ったし、熱核攻撃を決定する前に、効果が認められたバンカーバスターとおぼしき兵器による攻撃をもう少し試みるべきではないかなど、ちょこちょこ気になる点はあったが、絶望的なまでの、ゴジラの存在に、人間たちが、どうしようこうしようああでもないこうでもないと必死こいてるのがよい。
さて今回わざわざこの、凍結同然ブログに駄文を垂れ流そうと思ったわけは、公開当時も賛否があったらしい、石原さとみが演じる、カヤコなんとかについて語りたいと思ったからだ。
否定的な意見として、
・演技が大根
・ルー某のような英語がうざい
・キャラがうざい
・大統領特使でこれはありえない
などなどあるらしい。とても共感できる意見だ。実際自分も、観ながら違和感を覚えた。
擁護的というか、否定意見の反論としては、
・大根演技は、リアリティ追及のため、監督が役者に求めたもの
・ルー英語は、バイリンガルならむしろ普通
・日系アメリカ人という設定なので、リアル日本人を演じている他の役者の中で、浮いて見えるのはむしろ自然
とかそんな感じみたいである。まあ、これらも、それはそれで、それを否定しようという気はない。
自分は正直、英語を使いこなせないので、石原さとみの劇中での英語力どの程度であるかとかはわからない。演技が大根とかいわれても、視聴している最中、全ての役者に対し、演技が下手だと思わなかった。(というか、あれがリアルを演じている演技なのだと聞いたら、下手だと感じる。大杉漣さんの、そうなのか! というセリフを真似て見るといい。リアルでこんな言い方するやついねーよと思える)
しかし腑に落ちないのは、
「日本語の発音が完璧なのに、英単語部分だけわざわざネイティブ風に発音すること」
である。特に、日本語の発音が完璧なのに、というところを強調したい。
石原さとみさんは東京出身の日本人で、当然母国語は日本語である。日本語の発音が完璧なのは当然なのだが、それだと、アメリカ出身で母国語が英語である日系人の役というのは相性が悪い。
というのも、母国語が日本語でない人にとっての日本語というのは、とても難しいらしいからだ。
最近は、YouTubeなどで、日本語を話す外国人の動画などもあるが、かなり堪能で流暢、完璧な日本語を操る、海外出身者であっても、こと発音だけは、完璧と言えない人がほとんどである。ほぼ完ぺき思えたのは、ニックちゃんねるのニコラスくんだけだ。そのニコラスくんが語るには、ホームステイした日本の家庭において、かなり厳しく発音は注意されたとのことで、例えば、コニチハと発音したとき、普通の日本人はそれでも通じるからスルーしてしまうが、その家庭では、こんにちは、だよ、といちいち注意していたとか。
要するに、日本人に通用する日本語を身に着けるだけならまだしも、ネイティブの日本語の発音というのは、外国語を母国語にする者にとって、非常に難しいのだ。
だから、石原さとみが演じる、カヤコなんとかは、アメリカ出身の日系人であって、母国語は英語なわけで、そもそも日本語が完璧すぎるのがけっこうおかしい。本当に本当に努力すれば、完璧な日本語の発音を身に着けるのは可能かもしれないが、それにしたって自然すぎる日本語なのである。
無論、日系人ということであるからして、日系とひとくちにいっても、どういう家庭環境なのかはわからないにしろ、幼いころから英語と日本語を同時に学習して、どちらも完璧な発音を身に着けたという可能性はある。
それならそれで、日本語化してる英語を、英語の発音で言ってしまうのは不自然ではないのだろうか。
「13%」
を、
「じゅうさんpercent」
と言ってのけたのだが、率直に、
「じゅうさんパーセントでよくね」
と思ったわけである。カタコト日本語の人が、
「Thirteen percent」
と会話の中で言ってしまうならわかるのだが。
まあとにかく、日本語が完璧すぎる故に、日本語の中にネイティブ風発音の英語が混じるのが不自然でならないのである。
いかにも日本語が母国語ではないバイリンガルが、日本語で話しているときに、日本語化している英単語で、ネイティブの発音をしてしまうのはわかるのだが。
「ガズィーラ…まさしく神の化身ね」
そこは英語で言えよと突っ込まずにいられなかった。
日本語が母国語ではないバイリンガルが、独り言で、そんな言い回しするかよ。しかも女言葉で。
まあ~フィクションだし。ゴジラなんていないし、カヤコなんとかだっていないし、フィクションと現実の区別云々言われたらそりゃそうなんだけど、単純に、突っ込みどころはあったという事実であって、その中でも、カヤコなんとかは印象的だったという話である。