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しつこくゴブスレについて語る

 前回、前々回と、ゴブスレについての疑問と、その疑問に関係する掲示板のレスをまとめた。

 そのうえで、再び考察し、語る。

 

 まず、前回まとめた、ゴブスレ掲示板の、ゴブリンの強さ弱さ等についての議論だが、はっきり言って、漫画を読んで得られる以上の情報はほとんどなかった。

 議論はたいてい、私のような、ゴブリン舐められすぎじゃね? という疑問を持つ人が、それを呈することではじまる。

 それに対し、そんなことはない、とか、こういう事情だから、とか反論する人が出てくる。

 ゴブリン強い派とゴブリン弱い派とでも言っておく。すごく語弊を生じるかと思うが、ほかに表現がぱっと思いつかなかった。

 

 ゴブリン強い派は、前々回に、私が記事中に書いた疑問を持っている。

・単体では弱くても、群れたらやっかい

・新米のみならず、熟練冒険者でも、賽の目しだいでは全滅する

・放置すると村が滅びる

・女はさらわれ、孕み袋にされる

・国で対策していいレベルでは? そうでなくても、ギルドや冒険者、それに一般の農民町民にも脅威が周知され、対策されて然るべきでは?

・しかし現実放置されがち。熟練者はゴブリン退治やりたがらないから、新米がろくに準備もせずに行って、返り討ちで全滅する

・その事実を知りながら、対策らしい対策はしていない

・ゴブリン相手にやられると、何故か笑いものにされる

 

 箇条書きの正しい使い方をしていないがまあいい。ゴブリン強い派は上記のように、描写されてる限りでは、ゴブリンは十分に脅威であるのに、対策が不十分、知識も不十分であることに疑問を感じている。

 

 それに対し、ゴブリン弱い派は、おおむね以下のような反論をする。

 

・ドラゴンその他、国家レベルの危機が蔓延っている世界なので、国はゴブリンごときかまっていられない

・ゴブリンは実際、単体や少数なら雑魚

・ゴブリンに狙われるような村はたいてい貧しいので、十分な報酬を用意できない。(熟練者が特に嫌がる理由)

 

 主張はだいたいここらである。

 一番下は、なるほどと思ったが、上ふたつは、そんなことはこちとらわかりきっていて、そのうえで、それでもおかしいだろと言っている。

 たとえ話などを使って、強い派を論破しようと試みている者もいるが、的外れかつ、簡単に反論できてしまうものが多い。

 

 特に、どういうわけか、実際ゴブリンは単体なら雑魚だから、という論を主張してくる人は多いのだが、だからなにという話である。

 放置して群れが肥大化すると脅威である存在。それを、単体なら雑魚と論じることの無意味さに気付いていない。

 

 例えるが、シロアリ一匹は間違いなく雑魚である。ゴブリンよりはるかに雑魚である。一匹でどれだけ家の柱をかじり続けても、その一匹の寿命が尽きるまでに、絶対に家が傾いたり、倒れたりすることはないだろう。

 しかし、巣を作って、群れになったら脅威である。放置したら、人の生活基盤である、家が壊れる。全く気付かなかったのならしかたないが、知ってて放置する人は、多分いない。

 そこで、シロアリの脅威を語るときに、単体なら雑魚、と論じる者は皆無であろう。シロアリの脅威は、群れであることが前提だからだ。なんなら、シロアリ、という言葉を聞いたときに、単体をイメージする人は少ないのではないか。はっきりその姿を見たことはなくとも、家の床下に巣くって、柱に群がってる姿をイメージするのではないだろうか。(実際、シロアリ、で検索してみたら、シロアリ一匹をズームアップしてる画像ももちろんあるが、やはり群れの画像がたくさんある)

 

 ゴブリンはシロアリよりでかいし、見つけやすいという違いがあるので、例えとしては適当ではないが、群れが脅威であるという存在である以上、単体なら雑魚という論はあまり意味をなさない。

 強いて論じるなら、単体なら雑魚とわかっているのだから、単体ないし少数のうちに、対策をするべきである。というところだ。

 

 ちなみに、件の掲示板には、私は書き込みをしたことはないが、某漫画アプリのコメント欄に、件の疑問を呈したことがある。私の書き方のせいもあるが、それもやはり、ゴブリン単体雑魚くんが反論をしてきて、閉口した。件の掲示板と違って、コメント数がそれほど多くないので、もしこの記事を読んでいて、かつその某漫画アプリでゴブスレを読んでてそのコメント欄を見た人がいれば、ピンとくるかもしれない。そう、あのコメントをしたのは私だ。

 

 国はゴブリンどころではないのだ、というのも、それは漫画内で説明されているのだから、それを言われても、だからどうしたというものである。

 国が対応できないのなら、なおさら、自治体レベル、集落レベル、個人レベルでの対策が肝要であろうに。

 生態や習性を、主人公のゴブスレ以外はほとんど無知なのがそもそも謎で、村が滅びるほどの被害が出ているのだから、絶対に、絶対にだ、調べる人”たち”がいていい。

 ゴブリン雑魚雑魚病…もといゴブリン弱い派の人は、ゴブリンは雑魚だから、調べようという人も現れないらしい。村を滅ぼす害獣の群れが、単体なら雑魚だから、という理由で、侮られるらしい。

 

 ゴブリンに狙われるような村は貧しいので、十分な報酬を用意できなくて、結果割に合わなくて、やりたがる冒険者がいない。というのは、なるほどと思った。

 が、理にかなっているようで、そもそも論で言ってしまえば、報酬額が依頼者の裁量というのも変な話だ。

 漫画にあったワンシーンで、村人が、ゴブリン退治を依頼しに、有り金全部持ってきたが、受付嬢は、足りない…と内心思っているシーンがあった。足りないと思ってるということは、ゴブリン退治の報酬相場というのがあるということで、それだったらそもそも、

「ゴブリン退治○○円から請け負います」

 とでもして、害獣駆除業者として立ち回ればよいのだ。

 まあこのへんを深堀していくと、冒険者全員が、生計を立てられるレベルで得られる報酬と、依頼の絶対数は釣り合っているのかとか、別の疑問が湧いてくる。冒険者どもはむしろ積極的にゴブリン退治を請けて稼がなければならないのではないだろうか。しかしこれは、今回の記事の本筋をはずれる。

 

 他に気になったレスは、ゴブリンを、現実のイノシシやスズメバチに例えて、それらに対して国が動くなんて有り得ないだろというものだが、イノシシやスズメバチは、積極的に人間を襲わないし、村を滅ぼすこともないだろうがと言いたい。それに、イノシシやスズメバチを、単体なら雑魚だから、などと侮る人間はいない。イノシシ被害が出たら、農家などは十分に対策をするし、スズメバチの巣が発見されたら、場合によっては業者に頼んで駆除をする。スズメバチ駆除を進んでやりたがる人はあまりいないと思うが、業者は仕事だから、金を払えばやってくれる。

 

 さらに、災害に例えている人もいる。だがしかし、別に地震や台風や竜巻は、人間を狙って発生するわけではない。

 人間はたしかに、そういった災害に対し、起こらないうちは油断している面はある。しかし、発生頻度が違い過ぎると思われる。ゴブリン被害の発生頻度はよくわからないが、描写されているうえでは、現実の自然災害よりはるかに発生率遭遇率が高そうである。それこそ農家などは、イノシシや、害虫の被害を想定して、事前に対策をする。ゴブスレ世界で、いわゆるゴブリンハザードを想定して対策をしておかないというのは、不思議でならない。

 

 ゴブリン弱い派は総じて、人が殺される、強姦される、村ごと滅ぼされる、という事象を軽んじすぎる傾向がある。

 人が死んでるんだぞ!?

 という話である。

 

 というわけで、ゴブリン弱い派がなにを言おうが、納得のいく回答は得られないことがわかった。

 結局、創作だし! とか、言っちゃいけないお約束! というようなところで落としどころとするほかなさそうである。